「Drive:The Surprising Truth About What Motivates Us」の日本語訳として2010年に発売された「モチベーション3.0、持続するやる気をいかに引き出すか」の中でフロー体験について触れられ、フローを通して熟達していく事に関して書かれており、とても興味深い内容でした。
フローまたはゾーンと呼ばれる体験について、僕も体験した事あるので概念をすぐに理解することができました。
フローとは (英:Flow)
ハンガリー生まれのミハエル・チクセントミハイが提唱された概念です。
フロー (心理学) – Wikipedia
フローとは「集中力は対象となるものだけに100%注がれ完全にのめりこみ物事がうまくいっている」精神状態をさします。
また、フロー体験をするには下記の要素などのステージセットも必要とされるようです。
- 明確な目標
- 即座に得られるフィードバック
- 能力で十分に対応できる課題
本書では「仕事とは関連のない遊び」だけを楽しめて「人生の中で取り組む仕事」を耐え難い苦痛だとは考え難く、仕事と遊びの境界線は人為的な境界線が問題であるはずと書かれています。
本質を掌握することを拒否する体制や仕組みに問題があり、そのせいでエンゲージメントの欠如や熟練して上達することに対しての無関心を引き起こしているのでしょう。
フロー体験を通して、熟達する事を人生の価値体系として位置づけたい場合は、幼い子供たちが見本となります。
幼い子供たちの一日は、自分がしたい事で溢れてイます。喜びと好奇心につき動かされ「自分は何でもできる」と固定概念にとらわれる事はありません。
1つのフロー体験を経験すると、次は休むことなくまた次のフロー体験へと自分の興味のままに行動します。
周囲からのフィードバックを探り、そこから様々な体験を引き出そうとして、頭と体をフル回転させフロー体験を続けていくです。
そしていつしか大人になるにつれて「自分の行動が幼稚でなにか指摘されると恥ずかしい」と感じるようになっていき、熟練している達人のように振る舞っていくようになります。
僕も小さい頃は「お金がないから遊べない」「雨だから出かけても楽しくない」などと思いませんでした。
おもちゃがなければ手で拳銃を作り、雨が降れば汚れて良い服を出してもらい公園でビショビショになっていました。
チクセントミハイが「自然の法則は必然なので、好きなようにさせれば、子供たちはフロー必ず見つけ出す」と言っているように、僕らもそうで昔はそうであったのにいつしか忘れてしまったのでしょう。
心理的な事に目を向けて外発的動機ではなく、内発的なものについて書かれる本書はとても楽しいです。
余談
今日は54年ぶりに関東で雪が降ったとのこと。
僕の誕生月なので11月は特別な月なのですが、今まで雪が降ったことないなんて驚きです。
子供の頃みたいに雪だるまを作ろうと思います!